ヨーロッパ最大級銀行の各種業務をカバーする経営分析ソリューションを実現

大手銀行

業種:金融業

※従業員数等の企業情報は、事例掲載時点でのデータです

大手銀行の導入事例

問題点

【主要な金融商品の理解・洞察が足りないため運用に困難を来していた】
 この銀行は、イギリス国内と海外ともに、銀行業、資産運用、保険にわたる業務を行う支持層の広い金融サービスグループを構成している。ヨーロッパで二番目の大手銀行であり、全世界で3500万人近くの顧客がいる。クレジットカード事業の収益の推移を細かく分析し、維持するために、膨大な量のトランザクションデータと顧客データを管理している。しかしながら、当時使用していたExcelベースのデータツールは適切な機能を備えておらず、事業を成長させるのに必要である、深く多岐にわたる洞察を与えてくれなかった。クレジットカード事業の不振から抜け出すために、顧客基盤を拡大し既存の顧客からさらに収益を上げるには、より詳細なトランザクションデータを分析することが必要とされていた。

【判断材料を入手できない営業部長、マーケティング・企画部長、金融リスク管理責任者】
 あらゆる関連部署にほぼリアルタイムのデータを届けてくれる統合されたソリューションがないため、マーケティング活動の目標を設定したり、良い投資収益率 (ROI) を挙げている金融商品は何かを測定したりするのが難しく、顧客管理(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の施策によって得られるはずの効果を阻害していた。マーケティング担当者は、例えば、新しい顧客を獲得するセールスの進行状況を把握・管理できなかった。営業部員は、現在の顧客がどれくらい適切にサービスを提供されているかを把握できなかった。そして金融リスク管理責任者は、不審なトランザクションを日次で調べることができなかった。不正を発見したり予測するさまざまな試みを行っていたが、期待したよりもずっと不満足な結果に終わっていた。

【スキルの高い人材が非効率な時間の使い方しか出来なかった】
 使用していたExcelベースシステムの制限のために、スキルの高いビジネスアナリストは、業務に必要なデータを取得するために、毎月、毎日、時間のかかる定型クエリを実行しなくてはならなかった。彼らは収益改善や、プロフィットセンターとして利益を生み出すことを課せられた部門を調査する為、40以上のデータベースを調査しなければならなかった。このことは、本来は中核となる責任ある仕事を果たすために費やされるべき、多くの貴重な時間を失うことにつながっていた。

主要な課題

  • クレジットカードのトランザクションデータを、ビジネスの成長に必要なレベルの深さで分析できない。
  • マーケティング担当者は、クレジットカード保有者に対しての販売促進の経過や、KPI(主要業績指標)を測定できない。
  • リスク管理責任者は不正を特定し予測する為に、より早く正確なデータが必要である。
  • 高度なスキルを持ったアナリストは、報告書作成に追われて時間を浪費し、データを分析する時間が取れない。

ソリューション説明

【クレジットカード事業の収益性につき理解し向上させる】
 Panorama NovaView®は、全社のすべてのビジネスユーザグループが使える、統一されたビューを提供し、統合整理されたレポートをすばやく正確に作成する業務をサポートする。現在は、すべてにわたり正確でかつ最新の、クレジットカードの業績に関するビューを提供するツールがあるため、営業担当者、マーケティング担当者、顧客サービス、ビジネスアナリストは皆、クレジットカードの収益性をより良く理解できる。このような新しい理解力を利用して、この主要な取り扱い金融商品ラインを成長させるのに必要な、賢明かつ適切な情報に基づいた、タイミングの良い意思決定のために役立てることが可能になる。この銀行のケースでは、マーケティング、カスタマーサービス、セールス、リスクマネージメントにプラスの影響を与えた。

【マーケティングキャンペーン活動への即座のフィードバック】
 Panorama NovaView®を使用することにより、マーケティングチームは、顧客の新規獲得とCRM活動の業績に関する、ほぼリアルタイムのビューを利用できるようになった。特に、彼らは日常的に、前日に何名の新しい顧客を獲得できたかを見ることができたり、どの経路で彼らが加入したかを確かめ、特定の名前と住所で販促効果を見たり、どの経路が最も効率的かを判断したりすることが出来る。今まで当て推量であった状況の分析が、この種の素早いフィードバックに取って代わられた。さらに、うまく新規顧客を獲得しているマーケティングキャンペーン(販促活動)を判断して規模を拡大したり、採算ベースを下回っている企画を中止あるいは改良する可能性が広がる。

【顧客対応の電話窓口での販売成約の増加】
 Panorama NovaView®を、顧客対応電話窓口(コールセンター)でも採用しており、売り上げデータの追跡及び評価をするために使用している。顧客からの問い合わせ対応を支援する一方、メインストリームソフトウェアに組み込まれた機能が、オペレーターに対し、その顧客に特定の新商品や新サービスを提供するよう促す。企業は今や、誰が一番の売り上げを上げているか、あるいは全く売り上げのないのは誰か、どの商品が売れているか、などを見るためにオペレーターのレベルまで業績の分析ができる。NovaView®を使用することにより、セールスアナリストはこの一連のフィードバックを容易にたどって分析することができ、直近の業績に基づきアップセル(売上げ向上)を促すソフトウェアを微調整し、顧客に合わせた最も収益の上がる金融商品の組み合わせを提案することができる。

【不正の傾向を理解することによるリスク管理】
 銀行のリスク資産総額を判断するために、金融リスク管理責任者はクレジットカードの不正使用について、月ごとの傾向の予測をしている。これまでは不正トランザクションを特定するのに数週間もかかっていたが、Panoramaがあるので、金融リスク管理責任者は毎日「警告マーク」のついたトランザクションを受け取っている。これにより、彼らは常に更新されるデータに基づいて当該月末までの不正使用額の総計を予測するアプリケーションを利用出来ることになった。またその予測は使用年月が経つにつれより正確になる。このような知見に基づき不正を減らす適切なアクションを取れるようになっている。

【事業へのより深い洞察を得られる】
 これまでは、40人のスキルの高いビジネスアナリストからなるチームは、毎月、もしくは毎日、同じデータベースクエリを実行して膨大な時間を費やしていた。現在は、このアナリストたちが、必要とする複雑な情報を、ほんの数秒で取得できてしまう。データを調査する機能が改善されたことで、アナリストたちは彼らの本来の作業に焦点を当てることができるようになった - 傾向を予測したり、うまく行っている領域を特定したり、新しい顧客を獲得する為の施策を検討したり、既存顧客により効率よくサービスを提供する方法を発見したり、といった仕事である。これらの洞察により最終結果としてもたらされるのは、より知的で適切な情報に基づいたビジネスディシジョンを行えるということである。

ソリューションの要約

  • 全社で統一したデータビューを提供することで、全ユーザーグループがクレジットカードの収益性を評価し、その向上に寄与することができるようになった。
  • 販売促進(キャンペーン)のほぼリアルタイムで提供されるビューのおかげで、何がうまく行っており何がうまく行っていないか、どう修正するかを決定できるようになった。
  • コールセンター対応の追跡と分析により、販売計画を調整し最適化を行うことが可能になった。
  • 不正の最新情報を日々得ることで、不正トランザクションの正確な全体像が見え、リスクを減らすことができた。
  • アナリストが余計な仕事から解放され、ビジネスに洞察を加えることに集中できるようになった。