世界最大級の住宅金融組合でコンプライアンスを支えるレポート作成機能
大手住宅金融組合
業種:金融業
※従業員数等の企業情報は、事例掲載時点でのデータです
大手住宅金融組合の導入事例ソリューション名
金融サービスとコンプライアンス順守のためのレポート作成機能
問題点
【新規制順守への課題】
ロンドンを基盤にしたこの組織は、世界最大級の住宅金融組合です。
会員により運営されている、北米の信用組合と類似した組織で、11,000,000人の会員を有します。
また、イギリスで4番目に大きな住宅ローンの貸し手であり、2番目に大きな預貯金サービス提供者です。
この組合は、主要な金融機関の一つとして、データ統合とリスク管理を定める国際的な規制であるBasel II Capital Accordの順守を求められています。
Basel IIは、各金融機関に対し、組織全体に関連しているリスクや資産、またそれらのリスク管理に関する総合的なレポートの提出を、迅速かつ正確に求めるものです。
その順守のため、この組合は新しいデータウェアハウスを構築しましたが、すべてのユーザーグループに対し、首尾一貫した共通のビューを提供することと、何百万人という顧客のリスクに関する大量のデータ分析がどうしても必要でした。
【遅く、かつ内容が伴わないデータレポート】
CEOからシニアマネージメントチーム、さらには主要なリスクマネージャーに至るまで、Baselの業務への実装が急務だと考えた理由は、エンドユーザーには自身が作成した情報に関する説明責任があること、そして、それが出来なければ、最悪の場合、収監されることすら在り得るということです。
この組合には、分析用データを作成する、30~40名からなるマネージメント情報システム部のスタッフチームが既に存在しましたが、実際にはそれらのデータの意味を完全には理解していなかったため、作業に要する時間は増加する一方でした。
早急に必要とされていたのは、ビジネスエンドユーザーが自分自身でレポートを作成する方法でした。
そしてまた、その方法も、本来のデータを理解するという作業に集中できるよう、十分にシンプルでなければなりませんでした。
【使われるツールがバラバラで、コストが重なる】
従来、この組合では、ビジネスの領域が異なる場合、データ分析とレポート作成に異なるツールを使用していました。
そしてIT部門は、それらの、別々に作られてはいるものの結局同じことをするツールを集めてメンテナンスすることに日々追われていました。
こうした作業は、コストの観点からすると管理しにくく、また技術的な観点からもサポートが難しい、といった問題の原因になっていました。
問題点ハイライト
- Basel規制を順守するため、組合は個人のローンを分析することで運用リスクを見積もる必要がありましたが、当時の段階ではデータウェアハウスから情報を引き出す手段はありませんでした。
- ビジネスエンドユーザーは、彼ら自身でレポートを構築することができないため、Baselで要求されている説明責任を本当の意味で果たすことはできませんでした。
- データレポートを要求した際の所要時間の長さは、新しい利益や効率性の発見を求めるビジネスアナリストの要求には応えていませんでした。
- IT部門は、複数の、機能面で統一されていない分析ツールをサポートすることで、不必要なコストを抱えていました。
ソリューション
【リスクのコントロールと資本の管理】
Panorama NovaView®を使用することで、この組合は、すべてのユーザーグループに首尾一貫して単一のビューを提供しています。
そして、総合的なレポートの、素早くかつ正確な作成をサポートしています。
このようにして、組合は、リスクの管理という課題を的確にコントロールしていることを、Basel規制当局に証明することが可能になっています。
また、それにより、利用できる資本の中で収益を最大化することが可能になります。
【エンドユーザーに力を与える】
Panorama NovaView®により、ビジネスエンドユーザーは、数字の意味を真に理解するエキスパートとして、自身の手によりレポートを作成することができます。
マネージメント情報システム部のスタッフにレポートを要求して返事を待つ代わりに、たった数秒で自分たちが本当に欲しい情報を手に入れることができます。
これにより、エンドユーザーは、データの調査において関心を持った分野を自発的に調査することができます。
分析者は、この進化したデータ調査能力により、本来するべき仕事である、組織がより効率的になり、より利益を生むための方法を追求することに集中できます。
【機能性増強により、レポート内容の質を向上する】
新たに加えられた機能性により、今までのレポートに新たな側面が加えられ、ユーザーがより深くデータを理解することが可能になります。
例を上げると、これまでポートフォリオの分析者は、住宅ローンについての報告の際、貸借のみを長い間見ていました。
しかし現在では、ユーザーはそのデータを顧客の年齢、地域などの様々な視点で掘り下げることができます。
結果として、以前は、システムに入力された情報の総合値しか認識できなかったのが、今では、これまで分析者が把握できなかった「データの傾向」を認識することが可能になっています。
【段階的な変化の導入】
Panorama NovaView®のこうした特性を、パワーユーザーから、単に情報を利用するだけの人にまで提供することで、企業はその組織に対し、ある変化を段階的に導入することになります。
例えば、単純にExcel経由で情報を受け取ることに慣れている主要なユーザーは、以前とまったく同じことが可能です。
以前と違うのは、一つのレポートに複数の表を加えることができること、そしてブラウザを使用しているユーザーがそれらの表に接続できることです。
こうしたベネフィットは、即座に効果を発揮します。
情報は自動的に更新されますが、各ユーザーが使用するデータのビューのソースは同じものであるため、その更新が問題を引き起こすことはありません。
さらに、BIが必要なすべての人に、単一のソース経由で利用できるようにすることで、IT関連の業務とそのためのトレーニングを単純化します。
【総合レポートツールで時間とお金を節約しましょう】
これまで、企業はいくつもの異なるツールを管理・維持していましたが、データウェアハウスがあるということは、それを活用するためのシングルプラットフォームを保有するということであり、そのソリューションとして、Panorama NovaView®はあるデータに対する単一のビューを提供します。
将来的には、データウェアハウスからレポートを作成するために集約された機能が必要な部門、例えば人事管理システムや財務・会計システムなどは、Panorama NovaView®をデフォルトで使用するようになるでしょう。
そのことは、複雑な仕入れ経路や、アプリケーション開発プロセスを調べ上げる必要性を削減します。
ソリューションハイライト
- リスク関連データのためのレポート作成機能による、Baselの要求事項の順守
- ビジネスエンドユーザーが、彼ら自身のレポートを作成し、説明責任を果たすことを可能にする
- レポート作成に関する新しい機能性が、より完全なデータ分析へと導く
- カスタマイズを通して変化を段階的に導入
- 組織全体に効果を及ぼす、総合的レポート作成ツール