2011.12.14

来年度のBIトレンドはクラウドとモバイル
【Panorama Software Industry News より】

 多くの企業が2012年度の目標を設定する時期に来ていますが、ニュースサイト、コンピュータ・ビジネスレビューはソリューションプロバイダ数社にインタビューし、BIに関する来年度の予測について発表しました。特にSaaSビジネスインテリジェンスの普及拡大と、BIのモバイル機器での活用をとり上げています。

 いまエンタープライズITに関するさまざまな要素について、クラウド抜きで語ることは簡単ではありません。クラウドと同様にビジネスインテリジェンスソリューションについても重要な要素です。2012年度はホスト型アナリティクスへの注目がますます増加すると予測されています。特に、総所有コストが低く展開が容易なことによってBI活用のためのクラウド導入が促進されるでしょう。

 2012年度はIT資源をあまり豊富に保有していない中堅企業の間でクラウド導入が増加すると思われます。クラウド上で活用するBIのもたらすメリットは、ますます多様化し、成熟化していくでしょう。

 コンピュータ・ビジネスレビューがインタビューした専門家は、上記の評価と意見が一致しています。あるソリューションプロバイダのCEO、マイケル・セイラー氏は、クラウドについて、従来のソリューションにはなかったコンピューティングパワーを提供すると評しています。ビジネスインテリジェンスをクラウドで活用すると、ますます大量で複雑になるデータセットの分析や処理が可能になります。

 今回同社がインタビューした企業にはクラウドBIに否定的な意見を述べる企業も1社ありましたが、いまの普及のペースを考えるとそのような意見は極めて少数派のようです。

 またモバイルBIも、業界で行われている議論のきっかけを与えたもうひとつの要因です。コンピュータ・ビジネスレビューは、2012年はスマートフォンやタブレット端末でデータを分析する能力が企業にとって極めて重要な要素になるという予測を紹介しています。

 企業のモバイル機器活用は、実験段階からITに対応する現実的な展開へ移行しつつあります。タブレット端末はモバイルBIの活用が合理的であるというフォームファクタを提供します。2012年度末までにモバイルBI対応をしなければ、行動が遅いと見なされるでしょう。

 ブロアグループが最近行った調査によると、来年のBIの方向性について若干異なる結論が発表されています。企業が日々の分析作業に関与させる従業員の規模を増やそうとしていることから、同社の研究者は最も優先度が高い項目はセルフサービスBIであると予測しています。一方、従来型のレポート生成ツールを現在使用していると答えた企業は、全体の71パーセントに上っています。