2012.04.30

ビッグデータ分析機能を求める中堅企業
【Panorama Software Industry News より】

 ビジネスインテリジェンスの将来はビッグデータの処理能力にかかっています。最近の調査結果をご紹介します。ビジネスインテリジェンスは未分類の情報を大量に活用して洞察を引き出すためのツールですが、いま大企業だけでなく中堅企業にも大規模な情報を管理するニーズがあります。「テックアイル」が行った調査によると中堅企業のうち34パーセントがビッグデータ分析の機能を持つ高度なソリューションの導入に関心があると回答しています。

 ビッグデータ活用の需要
 中堅企業はビッグデータの価値に気づきはじめています。膨大な情報の分析によって得られる洞察は、企業の現状と方向性に関する実態の正確な把握に役立ちます。中堅企業のおよそ40パーセントが予測機能のあるアナリティクスの活用に関心があると回答しています。

 ビッグデータは同じ構造の膨大なデータを通常のアナリティクスプログラムで使用するというだけではありません。データがまったく構造化されていない場合や、ソーシャルメディアから取り込む画像、動画、テキストなどの、従来のデータにない洞察を提供するものがあります。企業はこのようなデータを独自の情報源から収集することができます。例えば膨大な情報処理が可能な自動情報受信システムや、ベンダーからデータブロックを購入するという方法があります。

 中堅企業の課題
 調査によると、小規模の企業ではビッグデータに関心がある企業の割合は中堅企業よりも少ないようですが、ビッグデータ分析技術を導入する可能性はあると予測しています。中堅企業のマーケティング部門ではビッグデータ活用を推進しようとしていますが、社内IT部門に経験豊富なスタッフが不足していることが導入の障害になっています。記事ではクラウド上で使用するSaaSビジネスインテリジェンスの導入によって中堅企業のアナリティクス活用が普及するのではないかという見方をしています。

 確実な投資対効果
 中堅企業に比べて小規模の企業でビッグデータへの対応準備が不十分なのは、高い投資収益率が得られるという確証がないためです。この点については最近の調査結果が解決してくれるかもしれません。調査会社ニュークレアス・リサーチのリポートによると、BIは導入の初期段階から投資収益率の増加に貢献し、高度な機能を追加導入するとさらに収益率が拡大することがわかりました。

 ニュークレアスによると、基本的なBI導入だけでも企業の投資収益率は188パーセントになり、さまざまな高度な機能を追加することによってさらに投資の価値が増大します。BI導入の最終段階にまでにビッグデータ分析機能を追加して予測機能を整備し、初期投資のコストに対して10倍以上もの収益を上げることが可能です。