2012.05.23

価値を生み出すビッグデータ
【Panorama Software Industry News より】

 ビジネスインテリジェンスの今後の機能として、従来データサイエンティストだけがアクセスしていた貴重な情報資源を活用することが求められています。これらの情報資源の大半は非構造化データ、テキストデータ、音声や画像、従来のレポーティングツールで処理しにくい表計算ソフトなどの数値データなどです。分析ツールの進化によってこれら数値データを分析して洞察を提供する機能が向上しています。ニュースサイト「IDGニュースサービス」によると分析ツールはいま必要条件のひとつとしてあらゆる業界で広く認知され、注目を集めています。

 事実と数値
 ビッグデータ分析ツールの導入に関する調査が多くの会社によって行われています。そのひとつ「インフォマティカ」の調査によると、ビッグデータを活用している、あるいは活用を計画している企業の70およそパーセントが、分析ツールの機能追加に前向きであることが明らかになりました。さらに企業がシステムを導入するさまざまな理由があることがわかりました。導入目的のなかでも情報資源の有効活用とデータ処理の全体的なアジリティ(即応性)の改善がトップになりました。

 専門家ビル・イモン氏が「CFOワールド」で述べているところによると、企業が保有するデータのうちおよそ85パーセントが非構造化データです。多くの企業は洞察を求めて間もなくこれらの情報資源に目を向けるでしょう。ビッグデータ分析ツールは、BIプログラムを最大限に活用しようとする企業が対処するべき大きな課題であることは間違いありません。

 専門家によると、テキストの世界は全く未開発の状態で利用されていません。したがって例えば企業の契約等の分野、その他非構造化データについては非常に重要が伸びる可能性があります。

 活用事例
 ビッグデータを活用している企業はすでに成功の果実を得ようとしています。3,500店舗でファストフードビジネスを展開する「ソニック」では、世界各国の拠点で一貫性を確保するためにシステムを導入し、配送が改善されました。同社CIOによると、意思決定の各段階で適切なデータが入手できるので、システム導入によって洞察の発見が可能になると表現しています。

 専門知識をもつ人材の需要
 IDGによると、ビッグデータの成果が認識され、参入する企業が増えていることから、ビッグデータに通じた人材は非常に重要になると予想されます。記事によると、ビッグデータの考え方は一般的な分析ツールのスキルとは全く違うものです。マッキンゼーによる市場調査を元に試算したところ、2018年までにビッグデータに精通した専門職はおよそ140,000人不足するという結果が明らかになりました。

 今後はデータサイエンティストがビッグデータ活用スキルを習得しなければならないでしょう。「シドニー・モーニングヘラルド」によると、専門的技能を求める企業ではビッグデータのスキルを持つ大学卒業者をすぐに高額収入の職種として採用することも可能になると予測しています。