2012.07.18

ビジネスインテリジェンス市場の拡大
【Panorama Software Industry News より】

 IDCが行った最新の市場調査によると、ビジネスインテリジェンスは今後も市場拡大が期待されます。今回の調査によると、IT部門の管理職は高度なBI機能の追加導入を急いでいます。ビジネスインテリジェンスは、技術的に高度すぎる、特殊化したプロセスであるなどの過去の評価を払拭しつつあることがわかりました。BIは業界や企業の規模に関わらず成果を上げ、意思決定者に役立つデータを提供しています。

 市場好感の兆し
 IDCの調査によると2010年から2011年のBI投資は対前年比で大幅に増加しました。この期間にIT部門の意思決定者がBIに投じた支出は14.1パーセント増加し、2016年まで毎年9.8パーセント増のペースで伸びると予測しています。新しいシステムの追加導入、あるいは新しいシステムと既存のレガシーシステムが確実に連携利用できることを目的として導入される見込みです。

 IDCのダン・ベセット氏は次のように述べています。「マスコミでビッグデータが大きくとり上げられたことと、30年以上にわたる技術的進化と革新および成功事例の発展により、ビジネスアナリティクス市場はようやくマスマーケットの主流になったと言えます。そこで、新しい課題としてこれまであまり大きな課題ではなかった高度なスキルを有するアナリティクス専門技術者の不足があげられます。ビジネスアナリティクスの需要の増加によってこの問題が表面化しています。」

 ビジネスインテリジェンスが追加導入される形態は変化しています。IDCによると、BI市場の成長は単に同じ種類のプログラムの購入が増えているためではありません。企業はソフトウェアの新しい活用方法に強い関心をもっています。ソフトウェア配信方法の変化に伴い、企業が望むシステムの種類が変化していることから、SaaSモデルがもっとも影響力の大きい分野であると考えられています。

 企業はシステム全体としての機能性を重視する見込みです。また、社内設置型ではなくクラウドを経由するBIを導入する企業が増えています。個別の技術的な要素に注力する負担が減少するよう、全般的な機能性と企業価値を高めるアプリケーションの需要が見込まれます。

 企業向けソフトウェアの展望
 最近のガートナーの調査によると、企業の人材管理や顧客管理ソリューション等の重要な分野よりもビジネスインテリジェンスはさらに成長が確実であることがわかりました。2012年の企業向けソフトウェア市場の増加は4.5パーセントでした。今後企業は中核となる少数のアプリケーションを重点的に検討する見込みであり、アナリティクスツールも導入拡大が予測されます。