2012.07.23

ビッグデータアナリティクスの効果とは
【Panorama Software Industry News より】

 アナリティクスを活用した企業データの分析によって事実や数値を明らかにすることができ、次の段階の意思決定の設定に役立ちます。これからのビジネスインテリジェンスは洞察を効果的に取得するためにビッグデータアナリティクスを取り入れることが必要になります。「SCマガジン」に寄稿するクリス・グッドウィン氏は、ビッグデータアナリティクスを活用して分断されたデータソースの一元化をめざすBIの方向性について解説しています。

 アナリティクスの連続と反復
 ソフトウェア会社の最高技術責任者であるグッドウィン氏は、ビッグデータのプラスの影響のひとつとして「やりがいのある課題」のような性質があると述べています。ビッグデータを保存し活用するシステムによって社内・社外にある複数のデータソースを統合して活用することができます。このことから複数のデータソースを統合して企業の現状を一目で把握できる方法とは何か、という新たな問題が提起されています。

 データソースの種類とともにデータの活用方法も多様化しています。グッドウィン氏は特に財務管理、セキュリティ、業務管理などの部門がデータ活用の点で重要であり、この部門のデータを統合して活用することによって企業全体のリスク管理が可能になると述べています。

 グッドウィン氏はデータソースの一元化を目指す企業に対して、データの初回分析の結果に加えてBIに第2の層を追加することを推奨しています。ビッグデータの活用効率を高めるには分析レイヤを追加することが重要です。企業内で多くの場所に保存され、連携していない情報を統合し、全社的な戦略および経営目標と方向性が一致するように確実に整合させることができます。

 今後の展開
 アナリティクス技術が広く採用されるようになり、ビッグデータアナリティクスの新時代がスタートしました。しかしさらなる拡大に向けては課題もあります。「リードライトウェブ (ReadWriteWeb) 」は業界の専門家ジェレミー・ハワード氏のインタビューを掲載し、大企業の中にも保有する膨大な情報を価値ある洞察に転換する高度なスキルを有するデータ・サイエンティストが不足しているところがあると述べています。さらに大企業では、データを効率的に活用するための設備が不足しており、必要なデータに効率よくアクセスできないと感じる社員があることを警告しています。