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2012.08.21

アナリティクスの活用で進化する小売業界の価格政策
【Panorama Software Industry News より】

 IT技術を駆使して独自の戦略を実行する小売業界は、個別の顧客に異なる価格設定を適用するという取り組みに挑戦しています。小売業界ではこの数年、そのための基盤構築を行い、計画を実行に移す動きが見られます。小売業が保有する膨大な顧客データと、高度なビジネスインテリジェンスがこの取組みを支えています。

 価格設定は変更できる
 「タイムズ」紙によると、「セーフウェイ」をはじめとする米国の大手スーパーマーケット・チェーンは、価格設定の変更という取り組みを率先して導入しています。顧客別の価格設定は航空運賃等に見られる動きですが、購買層ごとに区分されているだけでした。スーパーマーケットではこれらの取り組みをさらに進め、これまでの購買履歴に基づいて価格設定を個別に変更することを目指しています。

 個別に価格設定の変更を実施すると、顧客の反感を招く場合もあります。タイムズによると、2005年に行った調査では短期間に同じ品目で異なる価格を設定する店の考えに不快感をもつ顧客がありました。しかしセーフティ社のマーケティング担当社長マイケル・ミナシ氏は、「この取組みによって顧客がメリットを得る場合は、販売増加につながる」と述べています。小売業界は個別の価格設定の基盤作りとして顧客別にクーポンを作成し、配布しています。
 「入手する顧客情報が正確である限り、顧客別価格設定の実施は消費者が真に望むことであり、消費者からの懸念はあまりありません。」ミナシ氏はこのように述べています。

 蓄積したデータの管理を強化するには
 小売業では顧客への割引等の提案実行を最適化するためにより効果的なデータ蓄積が必要です。もちろん高機能のアナリティクスツールは欠かせません。専門家グラハム・リンド氏が行った調査によると、企業のデータ価値の認識とデータ保管の取り組みが一致していないという結果がでています。顧客に関する正確なデータの蓄積は重要であると大半の企業が理解していますが、一貫したデータ保管プロセスを整備している企業はまだ少数です。

 小売業では精度の高い顧客情報がなければ、結果的に顧客満足の悪化という影響を招く場合があるとリンド氏は述べています。顧客維持には密接なコミュニケーションや、対象顧客を明確にして直接顧客のニーズに合わせた提案を行うための広告宣伝の推進が欠かせないでしょう。データが正確でない場合は顧客の信頼を高める取り組みがうまくいかず、貴重な時間とコストを無駄にすることになりかねません。