2012.09.27

流通業界のアナリティクス活用
【Panorama Software Industry News より】

 企業のマーケティング担当者は新商品やサービスに対する消費者の反応を図るツールとしてアナリティクスを活用しています。売上データからの情報収集に基づいて顧客の関心を維持するための計画立案は重要な戦略です。正統派のマーケティング手法としてアナリティクスツールの地位は不変です。ビッグデータの活用機会を探る企業にとってマーケティングアナリティクスはますます有効なツールになっています。

 新しい可能性
 アナリティクスを支える技術革新は目覚ましく、企業は顧客の指向、考え方等を今まで以上に詳しく分析できる新しい方法を獲得しつつあります。売上データを取得するだけのシステムはわずか数年で旧式になると予測されます。いまオンラインのソーシャルメディアによって顧客からの情報のフィードバックが瞬時に可能な時代です。顧客の生の声を取得できるソーシャルメディアはアナリティクスを使う上で非常に効果的な要素です。

 IT情報サイト「CIO」は、ビッグデータ時代における営業戦略の変革と策定の方法を解説するなかで、常時更新される数値に基づく予測分析など、これまで使えなかった施策が有効になる可能性があると述べています。アナリティクスによって取得するデータを効率よく分析し、企業戦略を変更する基本的情報として活用することができます。

 記事によると、センチメント分析は消費者の心理的傾向の分析と把握に有効であると推奨しています。高度な分析によって、あるブランドの表示が効果的かどうかがわかり、特定の消費者層や市場全体のトレンドを把握することに役立ちます。また顧客基盤はより詳細に分類されます。広範囲な顧客層をターゲットに販促キャンペーンを展開するよりも、個別の顧客に提案を行うメッセージの配信のほうが効果的です。これらの実現にはビッグデータ分析が役立つでしょう。

 広く認識されるビッグデータの効果
 BI業界では営業力推進のツールとしてビッグデータは有効であると多くの専門家が述べています。ビジネスウィークに寄稿するスティーブ・マッキー氏は、新しいアナリティクスツールの導入によって事業改革に成功した企業の具体的な事例を紹介しています。この中堅企業ではビッグデータ分析を行って、ウェブサイトの使用履歴や購買データなど多数のデータソースから取得する情報を相互に関連づけ、マーケティングに役立て、広告によってどんな効果が得られるかなどをスピーディに判断することができます。

 マッキー氏は、今後はクラウドBIによって低コストで高度なアナリティクスを活用できるようになると述べています。クラウドBIは大量のデータ処理能力があり、ソフトウェアを遠隔操作でコントロールする機能があります。これによってハードウェアへの投資コストが軽減され、わずかな費用で大規模なオンラインシステムで取得するような洞察を取得することが可能になります。