2013.02.06

医療機関でのビッグデータ活用の可能性
Panorama Software BI Blog より

 ミシシッピ州にある病床数535床のセントドミニク病院は、急速に増大する患者データとカルテの管理に課題を抱えていました。データの効率的な管理のために最近ビッグデータアナリティクスプログラムを導入し、多大なメリットを実現しています。

 病院のIT責任者ピネガー氏は次のように述べています。「当病院では無制限の拡張性を備えた恒久的に使用できるソリューションが必要でした。成長のための需要急拡大に対応することも大きな課題であり、全体的なデータ管理システムを簡略化する必要がありました。」

 病院では新しいソフトウェアの活用によって、年間のIT費用を50パーセント削減し、推定で1,000パーセントの業績改善率を達成する見込みです。

 ビッグデータ分析は全く新しいIT技術というわけではありませんが、多くの企業がこのソフトウェアを利用できるようになったのはつい最近のことです。さまざまな業界でビッグデータが持つ未開発の可能性を活用する取り組みが行われています。医療業界においては、患者情報やカルテなどのデータはもっと有効に活用できる可能性がある「宝の山」であるとも言われています。

 ヘルスケアITニュースによると、医療機関で改革を行う場合、第一に必要なものはデータです。このことを理解することが大変重要です。治療成果の向上を証明し、患者への優れた医療を提供し、これと同時に業務の維持改善のためのデータが必要になります。

 コスト削減を上回るビッグデータの機能
 IT部門の責任者が新しいシステムの導入を決定するとき、企業はコスト効率や社員の生産性向上などをもっとも重視するのが通例です。しかし、最近のEMCの調査によると、技術の進化により、近い将来ビッグデータアナリティクスを救命医療に応用できる可能性があります。

 アメリカでは「医療負担適正化法」の施行により、患者情報をオンラインのデータベースに移行することが義務づけられています。このため、今後システムから生成される医療機関の情報量が膨大になると予測されます。実際にEMCの調査によると、医療機関のデータは2013年から2016年にかけて3倍にもなる可能性があります。

 医療機関の最高情報責任者およびIT責任者はこれを困難な課題ととらえるよりも、むしろ絶好のチャンスと考えるべきです。EMCの調査によると、今後ビッグデータアナリティクスの活用は疾病の発見や医学研究の向上に役立つ可能性があります。さらに、予測分析は医師による診断、患者の再入院の可能性の評価などにも役立つことが期待されています。