2013.10.07

BI活用に欠かせないセンチメント分析
Panorama Software BI Blog より

 優良な企業がBIを最も有効に活用するためには、消費者に関する非常に多くの要素を十分に理解しているかどうかが重要です。最も重要なことのひとつは、顧客基盤からの情報取得を効率よく維持しなければならないということです。どのような消費者あるいは顧客が新しい製品を求めているか、既存の製品やサービスを好むのはどのような消費者か、どのような顧客に新しい販売戦略を実施し、顧客サービスを提供するかなど、さまざまな顧客像を正確に把握することが大変重要です。

 センチメント分析(市場全体が持つ印象や心理的状態の分析)は、上記のような課題を遂行するための方法のひとつです。そのためにはビッグデータ収集によって世論や顧客のニーズを把握し、次に実用的な情報として活用するためにこの情報を定量化することが必要になります。GigaOMによると、スタンフォード大学の科学者チームは最近、センチメント分析によって各種のソーシャルメディアから収集したデータを分類することができるという、まったく革新的な方法を確立しました。このような技術革新をBIソフトウェアと併用すると、導入を検討する企業には非常に有用なツールになるでしょう。

 スタンフォードモデルを参考に
 アンドリュー・ネグ氏は、オンライン教育サービスを提供する「コーセラ (Coursera) 」の共同設立者であり、機械学習(マシンラーニング)の第一人者として定評があります。ネグ博士とともに博士課程の学生であるリチャード・ソシャー氏が率いるスタンフォード大学の研究者チームは、コンテンツ内の文章全体を詳しく分析し調査するモデルを考案しました。多くのセンチメント分析プラットフォームはFacebook、ツイッター、LinkedIn、Yelpなど、あるブランドについての意見を顧客が公開している可能性のある場所の投稿に見られる言葉のデータだけを重点的に分析します。今回考案されたモデルは従来のセンチメント分析プラットフォームよりもさらに高度なレベルの分析ができます。

 この手法をテストするため、スタンフォード大学の研究チームはオンラインの映画書評から11,000の文章を抜粋し、このデータを使って膨大な世論のデータを定量的に評価しました。現在のバージョンの分析モデルは85パーセントの精度で文章のセンチメント抽出が可能で、微調整を行うことによって今後はこの精度を95パーセントまで高めることができるとソシャー氏は期待しています。

 アナリティクスのソーシャル重視
 従来の考え方を持つ企業経営者は、ソーシャルメディアには多大な価値があり、大変注目を集めていることについてあまり真実味がないかもしれませんが、実際にソーシャルメディアのプラットフォームは、顧客が企業の美点を称賛したり、不満を述べるために使うことが多い場所です。アナリティクスで顧客データを分析する場合は、他の経路よりもこのようなソーシャルメディアを経由した消費者意見を重点的に収集する必要があります。またGigaOMによる別の記事によると、ソーシャルプラットフォームは従来の消費者調査やフォーカスグループ分析の大半の機能を備えていますので、データを実用的な方法で適切に定量化することができるソフトウェアを検討するには今が最適なタイミングです。