2014.01.09

個人情報の扱いとプライバシー保護
Panorama Software BI Blog より

 企業が日常的にビッグデータを利用する機会が増えています。最近のフォレスターリサーチ社の記事によると、自動車メーカーのBMW、トラクターメーカーのJohn Deere、ホテルネットワークを展開するStarwoodなど世界のトップ企業では、原則的に自社の顧客や取引先にデータを販売できるようにし、さまざまな形で自社の顧客経験を高めようとする取組みが始まっています。

 このようにデータそれ自体が商品以上の価値を持つようになったことで、これまでにはなかったプライバシーに関する懸念が表面化しようとしています。顧客に関するデータおよびアナリティクスの共有、またはデータの提供による運用を実行するには、顧客情報の保護を確実に行う必要があります。これは長期的な視点から考えると結果的に企業にとって良い方法です。

 企業のデータ収集に懸念
 個人データ収集の問題は、これまでにも政府機関や民間企業による情報収集のありかたが議論になっていました。アメリカ国家安全保安局による情報収集問題がエドワード・スノーデン氏による内部告発から明るみになった事例があります。

 「IDG ニュースサービス」 (IDG News Service) によると、米国ラスベガスで開催された「国際CES ITエキスポ」には顧客データ利用に関する新しい製品が数多く出品されています。このなかでサムスン (Samsung) 社の「スマートホーム」サーバーでは、スマートフォンやタブレット端末を通じて家電製品の操作が可能になります。またBelkin社が設計する鍋も同様の方法で遠隔操作を行うことが可能です。

 アメリカ商務省長官ペニー・プリッカー氏がこの展示会に出席し、このような製品が問題を引き起こす可能性を指摘しています。「企業はプライバシーの問題にしっかりと目を向け、慎重に検討する必要があると考えています。どこまでを可能とするか、取り扱いのルールをどうするかなどの判断は難しく、企業が収集するデータの中身やデータの利用方法など、現在はまだ一貫した明瞭な指針ができていないと思います。例えば「自分の情報」がどうなるかもわからない状態で、どこか自分の知らない場所で自由に記録されることをユーザーは望むでしょうか。これは多くの人にとって問題を提起するものであり、今後よく議論を尽くして解決していかなければならない問題であると考えています。」