2014.01.13

ビッグデータ活用で成果をあげる企業
Panorama Software BI Blog より

 ビッグデータ現象は2014年も多くの企業に普及し、拡大する見通しです。アナリティクスやBIなどビッグデータ関連のツールの多様な活用方法が実践され、さまざまな業界で普及していくでしょう。

 一方でビッグデータおよびアナリティクス導入がまだ普及していない業界もあります。今後新規でアナリティクス導入あるいはデータの総点検を検討する企業は、成功事例とともに成功させるための課題についても検証する必要があるようです。

 ネットフリックス、P&G (Procter & Gamble) に見るビッグデータの活用事例
 ネットフリックスは2000年代の初めから映像ストリーミング配信とオンラインDVDレンタル事業を展開しています。大規模なストリーミング配信を開始した時からネットフリックス社はストリーミングとビデオの配達事業でシェアを圧倒的に伸ばしています。ビジネスニュースデイリー (Business News Daily) によると、ネットフリックスはビッグデータ分析から独自の番組制作を行うことが得策であると判断しました。これによって市場から高い評価を受け、文化的な意義が認められるとともに収益増加も実現しました。

 ネットフリックス社は会員の膨大なデータ基盤を分析し、1990年代に放送されたイギリスのミニシリーズドラマ「House of Cards(邦題:ハウス・オブ・カード 野望の階段)」が聴衆から人気を博した成功要因と、巨匠映画監督のデビッド・フィンチャー及び名俳優ケビン・スペイシーの作風や持ち味特徴と関連性があることを発見しました。ネットフリックス社はそのドラマシリーズのアメリカ版リメークに100億円を上回る製作費を投じましたが、この調査結果では成功は疑いないとだけ太鼓判を押したからです。この投資は非常に成果を上げ、連続ドラマ「ハウス・オブ・カード」は絶賛されアメリカなど41カ国で最も視聴された映像コンテンツとして評価されました。

 また消費財メーカのP&G (Procter & Gamble) はビッグデータを使って社内の意思決定プロセスを強化する取組みを行っています。P&Gはデータを視覚化する「意思決定ツール」と呼ばれるツールを使い、同社最大の製品カテゴリーのうち40種類の製品に関する重要なデータを1度に6万人の社員に供給しています。このツール活用によって特にP&Gのサプライチェーンがかなりのメリットを得ています。

 IT性能の測定にも活用の可能性
 企業のIT部門はビッグデータおよびアナリティクスがあまり浸透していない分野です。コミュニティソフトウェア (Continuity Software) による調査によると、社員2,500人以下の企業ではビッグデータを使ってITの性能を追跡しているのは29パーセントですが、社員2,500人以上の企業では57パーセントの企業がこれを行っています。

 全体では調査対象の56パーセントの企業がITの性能測定にビッグデータを使っていないと回答しました。ビッグデータはアップタイム、セキュリティ違反に対する脆弱性、データ損失、稼働時間など重要な数値を追跡するのに最適であり、活用する企業にメリットがあることは明らかでしょう。