1. ビジネスインテリジェンス (BI) のBIツールならNecto™トップページ
  2. >
  3. ニュース
  4. >
  5. 2016年
  6. >
  7. 認識のバイアスを排除した意思決定を可能にする、洞察を視覚的に表示し、示唆を与えるBIシステム
2016.01.04

認識のバイアスを排除した意思決定を可能にする、洞察を視覚的に表示し、示唆を与えるBIシステム
Panorama Software BI Blog より

 私は、自分に本来備わっている精神的な働きは自分がコントロールできると考えるのが好きな類の人間です。これがダニエル・カーネマン教授の学説に私が非常に驚き、不安にもなった理由です。その理由を詳しくご説明しましょう。カーネマン氏はノーベル経済学賞の受賞者であり、人間の意思決定プロセスを理解するという分野では、素人から見たら雲の上のような存在の世界的権威です。教授の研究は、認識過程におけるバイアス、ヒューリスティックス(発見的方法)、その他に脳が最終的に「意思決定」であると判断するに至る全ての無秩序な心の動きを重点的に扱っています。七面倒くさそうな話ですよね。事実そうなんです。

 人が行う行為はすべて意思決定です。ある意味では、人の覚醒している時間はすべて、規模の大小はありますが連続的な意志決定のオンパレードに過ぎないと言えるでしょう。「私はこれを、今すぐに、この人たちの面前で言うべきか?」、という決定から「爆撃を実行する許可を空軍に与えるべきか?」という規模の決定まで、意思決定は私達の頭のなかの片隅で常に行われています。カーネマン教授の見方を借りれば人間とは意思決定の機械であるともいえます。

 しかし人間は非常に「優秀な」意思決定の機械ではありません。少なくとも我々自身は自分達を「機械」とは思っていないでしょう。カーネマン教授による著書「ファースト&スロー あなたの意思はどのように決まるか(原題Thinking, Fast and Slow)」では、人間の合理性という経済理論の中で語られている概念を取り上げ、完膚なきまでにその虚構性を暴いています。それを読んだ私は少々不安に駆られてしまうのですが。

 一つ質問をします。いったい人間に自由な意志などあるのでしょうか?一概には言えませんが、もしも「自由な意志」とは、論理と言う仮面を被っている一連の偏見や過去の結果を意味し、そして自分がそれに操られていると認識しないまま、自分がこれからどうするかを決定しているとすれば、そうです。人は十分な自由意志を持っているということになります。なにも咎め立てすることはありません。しかし、人には自分の意志決定のプロセスの大部分が見えず、自分の存在の基本的な構成要素に対して盲目であることを知るのは苛立たしい状況であり、少なからぬ恐怖を覚えます。このような場合、わかりやすくデータで視覚化表示されるツールを利用できさえすれば、幾ばくかの助けにはなるでしょう。さて何を話そうとしているのか、もうおわかりですね。

 データの視覚化表示をするBIツールによって、あらゆる意思決定や計数値を、ごく深く、微細なレベルまでドリルダウンすることができます。我々人間の脳とは異なり、推奨機能を持つ (Suggestive) BIシステムは、意思決定を支援する実際の機械(意思決定メカニズムを実装したソフトウエア)です。必要なデータすべてをユーザーに代わってBIが適切に配置すれば、カーネマン教授が表現するような精神的な「ゴチャゴチャ」は即座に解消されます。(ここでいう「ゴチャゴチャ (Jumble) 」は私が言い換えている言葉です。実際は教授はもっと難しい専門用語をお使いです。だからノーベル賞をとれたんですよね。)あなたにとって必要な情報、関係性、これまでの結果などのすべてを自分の手で視覚化しようとしても、きっとうまくいかないでしょう。そうではなくて、データの視覚化表示を行うBIシステムを採用し、あらかじめ準備されている機能を実行すれば、システムが自動的に視覚化して表示しますので、実際の経験や実証的データに基づいた意思決定をすぐに進めることができます。あなたはもはや未処理のデータを整備することや、非常に深く暗い井戸から水をくみ出すように、洞察を引き出すことにエネルギーのすべてを費やす必要はありません。あなたがすることは、ボタン一つを押しさえすればいいのです。それはいわば王国の扉を開く鍵、役員フロアへのアクセスカードです。さあ、受け取りたまえカーネマン君!