2016.10.27

アナリティクスで小売業ができる10のこと
Panorama Software BI Blog より

 小売業界では数年前からすでに多くの企業がデータアナリティクスを活用しています。購買トランザクション、CRM上のデータ、顧客ロイヤルティプログラムなど、複数のデータソースから膨大なデータを取得して分析し、「顧客洞察」あるいは「買い物客に関する洞察」といわれる洞察を取得して業績改善につなげています。

 「顧客が中心」の時代になり、企業にとって顧客満足と顧客エンゲージメントを達成することはますます難しくなってきています。消費者が得る情報量が非常に多い時代です。消費者はすべての情報をリアルタイムで知りたいと思っており、すぐにソリューションを提供することを当然のように企業に対して求めます。小売業界が消費者の行動パターンや好みをより的確に把握するために、スマートデータディスカバリやBIツールを活用するのはこのためです。このように、消費者が中心になる新しい時代にはスマートデータアナリティクスは、もはやあとから追加するツールではなく、初めからなくてはならないツールです。

 スマートデータアナリティクスが、なぜ、なくてはならないものかを判断するために、小売業がBIを活用すると実現できる、大変すばらしい10の項目をリストにしてみました。

 小売業ビジネスを格段に改善する10の項目

  1. 顧客の購入履歴、顧客の店内における動線や振る舞い、コールセンターへの問い合わせや顧客との接触のすべてについて、商品やブランドとの関係を分析する。
  2. セルフサービスアナリティクスの機能により、店舗の責任者はBIダッシュボードから店頭のデータを視覚的に確認して分析ができる。データに何らかの例外がある場合は通知を受信することが可能。これによってサプライチェーン、生産工程、販売プロセスなどの問題を発見することができる。店舗スタッフは、ほぼリアルタイムで日次の売上実績を分析でき、KPIを管理できる。BIソリューションの活用で店長や販売員の手でデータアナリティクスを実行できるようになる。外出先でもモバイル機器からダッシュボードを利用し、メールでリポートを受信でき、さらにKPIなどデータに何らかの変化があれば通知を受信できる。
  3. 管理職は顧客のトランザクションのバスケット分析を行い、どの商品とどの商品が一緒に売れているかを判断できる。これに基づいて一括販売すべき適切な商品の組み合わせを判断し、個別の顧客向けに販売提案を最適化することができる。
  4. データから得る洞察を活用して、需要期の商品の最適な配置を予測する企業もある。どの店舗で、どの時期に、どの商品の在庫を保有するべきか、セットにして一緒に販売すべき適切な商品の選定などを予測できる。
  5. 小売業はデータを使ってウェブサイト上でどの商品を中心にするかを選定することができる。さらに素晴らしいことに、どのモデルをどの種類の顧客に提案するかということも選択可能。
  6. 取引その他のデータを分析すれば、特定の場所で、特定の時間に最適な数の社員を配置することによって、最善の顧客サービスを確実に提供することができる。
  7. データアナリティクスは生産段階、在庫、サプライチェーンのなかで何らかの問題があれば、それを検知するのに役立ち、全体的な運用効率を大幅に改善することができる。小売業は、販売活動(e-commerceを含む)、サプライチェーン、顧客管理 (CRM) などさまざまなチャネルを通じてデータの全体像を把握し、理解できるようになった。
  8. データアナリティクスや地理的情報アナリティクスを活用して、特定の地域の多様な店舗の販売実績を地図に表示することができる。これによって特定の地域でどんなマーケティング提案が最適かを判断するのに役立つ。
  9. 需要を予測し、その地域への適切な商品の手当てを確保するのに役立つ。またダイナミックな価格設定と効果的でタイムリーな商品提案や販売促進が可能になる。
  10. 天候、トレンド、競合他社などの外的要因と自社の売上との相互関連性を把握できる。特定の課題を検出し、業績改善のためにそれに対応するアクションを決定できる。

 あなたにひらめきを与える実際の事例
 全米で最大手の規模の、あるデパートによると、スマートデータアナリティクスは重要な競争優位をもたらす武器であり、売上を10%押し上げるのに貢献したといいます。また宝飾品販売大手のある企業は、昨年の年末にかけての休暇シーズン期間中に売上が49%増加し、この売り上げ増の大部分はスマートデータ活用によると述べています。マッキンゼーは5年間にわたって250以上ものエンゲージメント(ブランドや商品に対する共感や忠誠心の醸成戦略・手法)の事例を分析しました。その結果、営業やマーケティングの施策決定の中心にデータ分析をおいて重点的に行っている企業は、マーケティングROIを15%から20%.伸ばしていることがわかりました。

 小売業界においてスマートBIを活用して得られる効果は、レジで個別の顧客に提案されるクーポンの効果をはるかに超えています。つまり360°の視点から顧客を見ることができ、把握することができるということです。これはデータの洞察を取り入れ、売上を増加させ、顧客エンゲージメント、顧客満足を促すための特定のアクションに洞察を転換できるということです。そうすれば、顧客中心の時代に、ただ生き残りを意図するだけでなく、小売業界での成功を確実にできるでしょう。PanoramaのBIツールNecto16を活用すれば簡単です。